EAGLE 6(プリント基板設計ソフト Ver.6)入門 (自己流の備忘録) その2


 まずは、EAGLE 6をインストールします。Windows用もMac OS X用もあります。両刀使いなのでWindows XP SP3 と Mac OS X 10.6.8 にインストールしてみました。 動作はどちらも同じですね。(当たり前か!)

なお、EAGLEフリーウェアツールの場合以下のような機能制限があります。
   扱えるプリント基板の大きさは100×80mmまで
   上下2層のプリント基板まで
   回路図は1枚だけ

 EAGLEを使ってプリント基板を製作する「概略の手順」は、以下のようになります。

1.EAGLEでは電子回路図を書くことが、そのままプリント基板パターンの部品配置なので、別途に制作したい元電子回路図を用意する必要があります。間違ってもEAGLEで回路図だけを清書しようとはしないで下さい。

2.EAGLEを無償で使用するためには、「100mm×80mmの大きさのプリント基板に、すべての部品が物理的に載せられるか」を真っ先に考えておかなくてはなりません。すべての使用部品のデータシートを集めましょう。どうしてもデータシートの無いものは、部品の外形や足の間隔を実物で調べておくことになります。

3.使用部品がEAGLEのライブラリーに登録されていないものは、まずそのライブラリーを制作して登録する。(ここがなかなか曲者で、殆どの人がここで挫折すると思います!ゼロからライブラリーを作ることは不可能ですから、大概は似た部品のライブラリーをコピーしてこれを変更して使いますが、その時の作業が異常に面倒なのです。専用のコマンドを使わ無くてはならないからです。)

4.部品ライブラリーを使って、回路図を作成する。(この時、同時にプリントパターン作成に必要な情報が別途作られていく)

5.回路図が完成して、回路に間違いがないか自分でチェックし、さらに自動チェックを行う。間違っていれば、出来上がったプリントパターンの修正が大変なので、ここでしっかり確認すること。GNDを1個でも忘れていれば、プリント基板のパターンは大きく影響する。これを怠ると、これから先の工程が全て無駄になってしまう恐れがあるのだ。

6.プリントパターン設計画面上で、100mm×80mmのエリアへ全ての部品を入れて置く。(はじめはエリア外に放置されている)

7.部品を配置する。この時、なぜか出来るだけ「整然と単調」に部品を配置すると、自動パターン設計時の「完成率」が高い。特に片面のみの基板は余裕を持って配置する。

8.電源ライン等の太さ設定、近隣との配線間隔などを設定してから、自動パターン設計をする。この時片面のみの基板では、100%の完成率にならないことが比較的多い。(ジャンパー線などを実装側へ使う場合には、殆ど100%で完了する)つまり、自動パターン配線が数本直接配線のまま残ってしまう。
 その時は、焦らず、自分で未完成のプリントパターンを良く眺めて修正出来ないか考える。簡単に手動で他の配線パターンを避けて配線を修正するなどすれば、再度自動計算した際に100%になる場合がある。
 上手く解決できないときは、部品の位置を微妙に移動したり、部品を180度回転してみるなどして、再度完成率が高くなる様にする。(この手順8の繰り返しになる)

9.上手く100%で完成したら、次はグランド等のベタパターンを作成するが、その前にここまでの作業を確実に再現できるように保存する。(ベタパターン発生後に、修正の為に元に戻れなくなることがあるから。)

10.出来上がったプリントパターンでプリント基板をエッチングする。(この作業もなかなか大変!)完成後に、銅板の保護用のプリント基板保護専用フラックスを塗っておく。(これをしておかないと、基板が腐食して後から指紋などが浮き上がる!)

11.プリント基板に部品を差し込むための穴を開ける。
穴あけは結構の労力と神経集中が必要です。でも、ここで穴がずれてしまうと、今までの苦労が水の泡になってしまいます。(これも穴のパターンに別途0.3mmぐらいの穴径のランドパターンを付加するユーザーコマンドを作っておくと、1mmのドリルの穴がプリントパターンの銅でガイドされて、ブレずに中心に開けることができるのです)

12.やっと完成です。実際に部品を差し込んで半田付けいたします。

以上が概略です。3と8と11が山ですね〜。次回はもう少し細かく説明していきます。(May. tha 19th 2012)


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