今まで、いろいろな理由からこの簡易気象観測装置(Airシリーズ)用のPICを選んで組み込んで来た。
・PIC18F2550:当初、秋月で3.3V駆動の参考回路にPIC18F2550が乗っていたが、3.3Vで動かす事が出来ない事を知り、参考回路自体のPIC機種記載のミスと断定しすぐに断念。
・PIC18LF2550:PIC18F2550の代替え、3.3Vで駆動可能。日本で入手困難。Microchip社から航空便で入手した。小ロットでは大変割高となってしまう。
・PIC16F886:3.3V駆動が可能で入手も容易。 Air2シリーズまでなら問題ないが、フルスペックのAir3シリーズにはプログラムメモリー容量が不足する。
・PIC24F64GA002:16bit処理で処理能力が高く、3.3V駆動可能、入手容易、メモリー容量も豊富、RTCも内蔵するが、フルスペックAir3でSDカードI/Oを行うには、I/O点数が不足する。RTCの扱いもややデリケートな感じがする。システムクロックを下げて消費電力を押さえて使う。それでも消費電力が16Fと比べてかなり多いので、連続電池駆動は不利。EEPROMが無いので、オフラインでの観測データの記録保持が困難。
・PIC24F64GA004:PIC24F64GA002と比較して、I/O点数も豊富。フルスペックのAir3を設計製作できるが、表面実装0.8mmピッチのリードピッチは、1つ目基板に組み込む場合には変換用基板を使う必要が生じる。消費電力が16Fと比べてかなり多い事が連続電池駆動時に不利。
・PIC16F1938:F1シリーズと呼ばれるPIC16Fのエンハンスド・ミッドレンジで、2011年10月現在で16F型の最新機種。以前に、Airシリーズに使用していた PIC16F886 とピンコパチブルであり、18Fの良い所を吸収し、今までの通り省電力。しかもプログラム容量が2倍と、良い所だらけで入手も容易で安価。RTC機能は内蔵されていないが、外部にRTC-ICを繋いでPIC24F64GA002の代替えとして採用。
そして今回選んだのは、エンハンスド・ミッドレンジである「PIC16F1939」。
この「PIC16F1939」は、40ピンDIPパッケージでI/O数も最大で36本あり、プログラムメモリー16Kワード、SRAM1024バイトで@150円(2011年10月秋月電子通商調べ)。
I/O点数が豊富なので、Air3のフルスペック仕様でSDカードI/Oを組み込める上に、RTC-ICも組み込める。最終的には、Airシステムでの「PIC24FJ64GA004」の代替えとなってくれる事を願う。あとは、このPIC16F1939でフルスペックのAir3を駆動するのに、プログラムメモリー容量が足りるかどうかだ。
●結論は、PIC24Fでの全ての機能(気圧、気温、湿度のグラフィック表示と、日時時刻の表示。リアルタイム・シリアルデーター出力。SDカードへのデーター記録)をPIC16F1939に組込もうとすると、データー用RAMが1024バイトではどうしても数十バイト分足りない事が判明しました。機能を削れば良いのですが。。誠に残念ですが、PIC16F1939での組込みは、しばらく断念いたします。
その代わりに、PIC18F4520が手持ちにあり、これとPIC16F1939がピンコパチブルである事と、データーSRAMが1.5Kバイトも有る事でこれで代用できる事が判明しましたので、別記事に載せて行きます。(Dec. the 4th 2012)
|