その9 外部供給電源の単一化と、A/D変換部の安定化の追求!


TempLanの外部電源部分の大型専用安定化電源(+5.00V、+12V)を単一電源化しようと思った事から、
様々な問題が発生した。(その9を参照)

1.DC12Vから3端子安定化ICでDC5Vに落として使用するには、
3端子ICでの発熱を考慮しなくてはならず、
使用する電流値にもよるが、
自作パソコンのCPU用のヒートシンクぐらいのものが必要になってしまう。
温度や、湿度を扱うような回路には熱源をいかに分離するかが問題となる。

電源部分はバッテリーにするか、
センサーや、センサーアンプ部分を分離するか、
AC-DC電源部分を分離するしか方法はない。

2.小型の簡易外部電源5Vアダプターは、安価に電源回路部分を分離でき、
DC+5V(+-5%)ぐらいまでを許容できる様ないわゆるデジタル回路には便利であるが、
今回のようにA/D変換部分を含むような精密なアナログ回路には、
そのままでは不向きである。

その結果生まれた最終的な回路はこうなった。


外部供給が5V単一電源となり12Vラインが不要となったTempLan基盤。


多少ギザギザが発生しているでものの、この程度であれば十分と思う・・・(サンプル間隔1回/1Sec.)

今回のハード、プログラムで、今までと異なっているところを順に説明します。

1.実験用にリセット用の押しボタンスイッチSW1を追加しています。通常は不要と思われます。

2.外部電源として5V(+-5%)程度の単一外部電源仕様です。消費電流が350mA程ありました。

3.その5V外部電源供給口に、1000μ以上の電解コンデンサーを追加しています。A/D変換部分への電源変動を押さえます。

4.PICのRA3/AN3/Vref+端子に、4.00Vの基準電圧をTL431CPを使用して発生させて接続しています。
TLP431CPのカソード側の電圧は、R9,R10,VR3の値のみで決まってしまうので、
外部電源の5.0VがVR3を設定後に変動しても殆ど影響なく4.00Vを保つ事ができます。
PICアセンブラー上の、「A/Dコンバータ設定」部分のビット0が"1"になっています。
movlw b'10000001' ; ADFM=0,VREF=AN3
ソフトウエアでは基本的にはこの部分のみが今回の変更点です。

5.RC0にDIP-SW1を追加しています。
このスイッチがOFFの場合には、
10kΩで5Vにプルアップして"1"を、
ONの場合にはグランドに接続して"0"をPICのポートCのゼロビット目に入力しています。
これは、ON時に温度計測サイクルを1回/1秒に変更して通常よりも早くして、
VR1の調整を行いやすくし、
OFF時は計測サイクルをゆっくりにしておくものです。

6.温度センサーもOPアンプと同様に12Vの電圧で駆動しています。
OPアンプの出力を0から4.0V得る為には5Vでは足りません。
また、安定したOPアンプの動作を得る為にも12Vを供給しています。

7.DC-DCアップコンバーター回路のMC34063AのICも、
小パワーながら発熱も無く5Vから安定した12.0Vを発生してくれます。
この詳細はその8を参照してください。
こちらのアップコンバーター回路でも1000μの電解コンデンサーは重要です。

調整は、まずソフト上の#define Lcomp d'15' ; 15mVを
#define Lcomp d'0'
として補正ゼロにしてコンパイルして実行し、
LM35Aの出力をデジタルテスターで測定しながらLCDの表示を調整します。
その後、先ほどの補正分を修正して記述してください。

この後、イーサネット接続なしのLCDなし、
7セグメントLED-3桁表示式の、
温度-湿度計を紹介しますが、
TempLanに湿度センサーを組込む為の前実験にもなっています。

おかげさまで、この実験は既に完成していますので、
ハード回路図と、PICのソフトウエアを公開すれば良いだけです。
その11を待っててね!

その実験をふまえて、ハード的にはどうすれば湿度計ユニットを組込めるかは簡単です。
一番問題なのは、LANを使ってどのように通信フォーマットを変更すれば、
温度情報、湿度情報の2つのデーターを間違える事無く相手側に伝える事ができるのか?
これが最も重要な課題になってきます。
これについては、まだ解決していません。
またまたいつになる事やら!


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